「PFCバランス」とは?健康管理に役立つ3つのポイント

私たちが生きるために必要なエネルギーは、3つの栄養素から作られることをご存知ですか?
3つの栄養素とは「たんぱく質(Protein)」「脂質(Fat)」「炭水化物(Carbohydrate)」で、これらをまとめて「エネルギー産生栄養素」といいます。
そして、エネルギー産生栄養素の構成比率を示す指標に「エネルギー産生栄養素バランス」があります。
※以前は各栄養素の頭文字をとって「PFCバランス」と呼ばれていましたが、日本人の食事摂取基準2015年版より「エネルギー産生栄養素バランス」に名称が変更されました。ここでは広く使われている「PFCバランス」表記で解説します。
なんでPFCバランスが重要なの?
PFCバランスを整えると、各栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)の摂取不足を回避できます。その結果、生活習慣病の発症予防や重症化予防に役立つのです。
一方、PFCバランスが崩れると摂取エネルギー量が適切でも体に必要な栄養素が不足します。そうすると、生活習慣病のリスクが高まるなど、体の不調につながる可能性があるでしょう。
なお健康を維持するためには、PFCバランスだけでなく食事量にも配慮が必要です。必要な食事量は人それぞれですが、多すぎても少なすぎても健康を損ねる可能性があるからです。
PFCそれぞれの働き
PFCの働きは、それぞれ異なります。
- たんぱく質:筋肉や臓器、皮膚、髪の毛などの構成成分。1gあたり4kcalを生み出す
- 脂質:細胞膜やホルモンなどの材料となる。1gあたり9kcalを生み出す
- 炭水化物:体内で吸収されてエネルギー源となる「糖質」と、体内では消化できない「食物繊維」の総称。糖質は1gあたり4kcalを生み出す
理想的なPFCバランスとは?
理想的なPFCバランスは、性別に関係なく、次の通りとされています。
- たんぱく質:13~20%(年齢によって若干異なります)
- 脂質:20~30%
- 炭水化物:50~65%
これらは、各栄養素から得られるエネルギー量が総エネルギー摂取量に占める割合(%エネルギー)を示しています。
PFCバランスの計算方法
各栄養素が総エネルギー摂取量に占める割合は、食品に含まれるそれぞれの栄養素量(g)をもとに算出します。
- たんぱく質(%)=たんぱく質(g)×4(kcal)÷全体のエネルギー(kcal)×100
- 脂質(%)=脂質(g)×9(kcal)÷全体のエネルギー(kcal)×100
- 炭水化物(%)=炭水化物(g)×4(kcal)÷全体のエネルギー(kcal)×100
たとえば、下記のような市販弁当のPFCバランスを計算してみましょう。
【弁当の栄養価】760kcal、たんぱく質23.8g、脂質25.7g、炭水化物108.6g
- たんぱく質:23.8(g)×4(kcal)÷760(kcal)×100≒12.5(%)
- 脂質:25.7(g)×9(kcal)÷760(kcal)×100≒30.4(%)
- 炭水化物:108.6g(g)×4(kcal)÷760(kcal)×100≒57.2(%)
つまり、この弁当のPFCバランスはたんぱく質12.5%、脂質30.4%、炭水化物57.2%となり、たんぱく質がやや少なめ、脂質がやや多めであるとわかります。
毎回計算するのは現実的ではありませんが、一度計算してみると何をどのくらいの割合で食べたらよいのかイメージしやすくなるでしょう。
ちなみに、どのくらいの量を食べたらよいのかは、個人に必要なエネルギー量によって異なります。
PFCバランスを整えるポイント
毎日の食事で活用できる、PFCバランスを整えるポイントを紹介します。毎食バランスを整えるのが大変な場合は、1日の中で調節してみましょう。
- 主食、主菜、副菜を揃える
- 主食の重ね食べを避ける
- 肉の脂身や、揚げ物を控える
主食(ご飯やパン、麺など)は炭水化物、主菜(肉や魚、卵、大豆製品など)はたんぱく質や脂質の主な供給源です。そして副菜(野菜やきのこなど)には、炭水化物やたんぱく質の代謝を助けるビタミンなどが含まれます。
ゆえにラーメンとチャーハン、パスタとパンなど1回の食事で複数の主食を摂ると、炭水化物の摂取割合が大きくなります。また、脂質は無意識に摂り過ぎていることが多いです。そのため、バラ肉や揚げ物など油脂の多い食材や調理法に偏った食事では、さらに脂質の摂取割合が増加するでしょう。
また糖質制限ダイエットや○○ダイエットのように、極端な食事制限や1つの食材に偏った食事ではPFCバランスが崩れやすくなります。
つまりPFCバランスを整えるには「脂質の摂りすぎに注意しつつ、主食、主菜、副菜をまんべんなく摂ること」が大切なのです。
まとめ
PFCバランスはたんぱく質、脂質、炭水化物の構成比率を示す指標のことで、現在は「エネルギー産生栄養素バランス」と呼ばれています。
日頃からPFCバランスを意識して食事をすれば、各栄養素の摂取不足回避、生活習慣病の発症予防や重症化予防につながります。
まずは、現在の食事内容を見直してみましょう。気になる方は、PFCバランスも計算してみてください。
参考出典
- 「日本人の食事摂取基準(2025 年版)」 策定検討会報告書|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316585.pdf





