男性も女性も知っておきたい!更年期と性ホルモンの関係、閉経について

更年期という言葉を聞いたことがある方やなんとなく使っている方は多いと思いますが、実のところ詳しく知らないという人も多いと思います。
今回は、男女ともに更年期障害を乗り越えるための知識として、閉経についてご紹介します。
男性には閉経という現象はありません。しかし女性が加齢に伴い女性ホルモンが減少して、閉経から更年期障害につながるように、男性も男性ホルモン量が減少することで男性更年期障害につながります。
パートナーや周囲の方の不調を理解するために男性も閉経や更年期障害について理解しておきましょう。
本記事では男性の更年期障害についてもご紹介しています。
閉経とは
閉経とは、月経が完全に止まり、その後一切妊娠しなくなることを言います。
女性は40代を過ぎると卵巣の働きがおとろえて、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の量が急激に低下していきます。
そしてついにホルモンの分泌が止まると閉経を迎えるのです。
月経が1年以上無かった時に閉経と判断されます。
閉経の前後5年、合計10年間がいわゆる「更年期」です。
ちなみに、男性の更年期は、男性ホルモン(テストステロン)の低下によって起こります。女性より緩やかな低下で40歳代以降いつでも起こりえます。男性の更年期も40歳代以降に始まるイメージをもっていてもいいかもしれません。
男性更年期障害も性ホルモンの減少という点で女性と似た症状が多いので、参考にしていください。
閉経の平均年齢
日本人女性の平均閉経年齢は52歳くらいだと言われています。
閉経の時期は人によって違い、40代前半の人もいれば50代半ばの方まで幅広いです。
閉経の時期はかなり個人差があり、早いまたは遅いということが必ずしも病気が原因というわけではありません。
ただし40歳以前に閉経が起こると早期閉経(早発卵巣不全)とされ治療が勧められることもあるので、40歳以前の閉経や55歳を過ぎても閉経が起きない場合は一度産婦人科外来も検討してよいかもしれません。
閉経するとどうなる?
更年期症状
女性ホルモンの低下によって起こる様々な症状を「更年期症状」と言います。
代表的なものに
- 血管運動神経症状:ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ)
- さまざまな身体症状:めまい、動悸、頭痛、肩こり、関節の痛み、冷え、しびれなど
- 精神症状:気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、情緒不安定、不眠など
などがあります。
これらの症状が重く、日常生活に支障をきたす状態を「更年期障害」と言います。
こういった症状は甲状腺疾患でも起こります。そのため、甲状腺ホルモンの値に異常がないか採血で調べることで更年期症状と区別することが必要です。
ちなみに中年男性で男性ホルモン(テストステロン)値が低い場合も、ホットフラッシュ、疲労感、頭痛、筋力低下、ED、抑うつ状態などの症状が見られます。特に男性の場合は、うつ病と間違われ見逃されてしまうことも多いです。
心療内科だけではなく、更年期障害を疑って内分泌科や泌尿器科での相談を検討してもいいでしょう。
高脂血症
エストロゲンはコレステロールを低下させる作用があるため、女性は50代を過ぎると、男性よりも中性脂肪の値が高くなりやすくなります。これによって動脈硬化のリスクが高まってしまいます。さらに、喫煙をしている、高血圧、糖尿病がある女性は動脈硬化のリスクがさらに上がるとされています。
男性更年期の場合も、テストステロンが不足していることで、内臓脂肪の増加は起こりやすくなります。
骨密度の低下
骨の形成は、栄養や紫外線によってつくられたビタミンDを、エストロゲンが活性化することで起こります。このため、閉経後には骨密度が低下すると考えられています。
閉経後骨粗鬆症という病気の概念があるくらい、性ホルモンと骨の関係が深いです。
男性更年期でも、テストステロン不足による筋力の減少(サルコペニア)や骨粗しょう症につながっていきます。
気分の変わりやすさ
性ホルモンは、セロトニン、ドーパミンなどの神経伝達物質の調整をしています。
ホルモンの変動は気分障害を引き起こすと考えられているため、うつ、不安、意識低下などが起こります。さらに40、50代に特有の、介護や子どもの問題、健康への不安といった心理的なストレスも関わっていると言われています。
男性は特に、仕事や人間関係のストレスによってテストステロン分泌が急激に下がることがあります。イライラや集中力の低下などは男女関係なく起こりやすくなると言えます。
閉経・更年期障害には治療が必要?
日常に支障をきたす更年期障害は、体の要因、心の要因、社会的要因が複雑に合わさり発症するため、まずは十分に問診を行います。生活習慣の改善やカウンセリングを試して、それでも改善しない場合には薬物療法を行います。
男性も食事の改善や筋トレなど、生活習慣の改善から始め、女性と同じような薬物療法を行います。
ホルモン補充療法
更年期障害の主な原因であるエストロゲンを薬で補うのがホルモン補充療法です。
とくに血管運動症状のホットフラッシュ、発汗に効果が高く、うつ症状に関しても効果的とされています。
男性の場合も、同様にテストステロンを補充(筋肉注射)することで症状改善するケースもあります。
漢方薬
検査で異常がなく、病気も特にない場合、更年期障害によって起こるさまざまな症状のことを不定愁訴と呼ぶことが多いです。
不定愁訴に対して処方すると、たくさんの薬を飲む必要があるため、全体的な心と体のバランスを整える漢方薬が処方されることがあります。
向精神薬
気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、情緒不安定、不眠といった精神症状がつらい場合には、向精神薬が用いられます。
まとめ
40、50代は男女ともに、管理職やリーダーなど責任のある立場についている場合も多い年代です。
心身ともにつらい症状で仕事の質に大きな影響があり、離職につながってしまうケースもあるかもしれません。これは男女関係なく抱えている問題だと言えます。
女性が直面する閉経や、男女問わず起こりうる更年期障害について理解を深めることで、更年期に向き合っていきましょう。
参考出典
- 更年期障害|日本産科婦人科学会
https://www.jsog.or.jp/citizen/5717/ - 安井敏之. 日本人の閉経年齢 や早期閉経の割合,子宮筋腫のリスク因子,コースにおける女性ホルモン剤の使用状況およびその特性. 産科と婦人科. 2024(5), 499-506
- 男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)|日本内分泌学会
https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=71 - 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版|日本動脈硬化学会
- 産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2020|日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会





