健診の基礎知識

「悪あがき」は逆効果! 正しい結果を知るための健診前チェックリスト


健康診断や人間ドックを受けるときには、「前日の夜からご飯を食べないで」「激しい運動はしないで」など、いろいろなルールがありますよね。
「つい、うっかり忘れてしまった!」という経験がある人もいるかもしれません。

でも、「一体どうしてダメなのか?」という本当の理由を知っていれば、納得できて忘れにくくなるはずです。
今回は、健康診断の前によくあるルール(注意事項)について、その理由と一緒にチェックリスト形式でご紹介します。

知っておきたい要点

  • 胃の中に食べ物が残っていると、カメラなどの検査で胃の様子がよく見えなくなる。
  • お酒やコーヒー、激しい運動は、血液や尿の検査結果を狂わせる原因になる。
  • 普段飲んでいる薬がある場合は、勝手にやめず、事前にお医者さんに相談する。
  • 正しい体の状態を知るために、直前の「悪あがき」はせず、ありのままで検査を受けよう。

食べ物や飲み物のルール

【ルール】

  • 前日の夜は、21時(夜9時)までに消化に良い食事を終わらせる。
  • ビタミンCをサプリメントなどで大量に摂るのは避ける。
  • コーヒーやお酒(アルコール)も控える。

【どうしてダメなの?】
胃のレントゲン検査や胃カメラ、お腹のエコー検査を受ける場合、胃の中に食べ物が残っていると、それが邪魔をして胃の中の様子がきちんと見えなくなってしまいます。
また、お腹のエコー検査では、食事をすると「胆のう(たんのう)」というお腹の中の袋がしぼんでしまい、観察しにくくなります。

飲み物にも注意が必要です。コーヒーやお酒は、血糖値(血液中の糖分)や脂肪の検査結果を狂わせてしまうことがあります。
さらに、ビタミンCを大量に摂ると、尿の検査に影響が出て、本当は異常があるのに「異常なし」という間違った結果が出てしまうことがあるのです。

運動やタバコのルール

【ルール】

  • 前日の激しい運動は控える。
  • タバコ(加熱式タバコも含む)はできるだけ控える。

【どうしてダメなの?】
筋肉をたくさん使う激しい運動(ハードな筋トレ、長距離のランニング、サッカーなど)をすると、体の中で変化が起き、尿などの検査結果がずれてしまうことがあります。スポーツを楽しむのは、健康診断が終わってからにしましょう。
また、タバコを吸うと血圧が上がったり、胃の壁(粘膜)に影響が出たりするため、正しい検査ができません。

普段飲んでいるお薬のルール

【ルール】

  • 普段から飲んでいる薬がある場合は、事前にお医者さんや健診センターに確認する。
  • 当日は必ず「お薬手帳」を持っていく。

【どうしてダメなの?】
薬の種類によっては、「検査の数日前から飲むのをやめないといけない薬」もあれば、「当日の朝も少しの水で飲まないといけない薬」もあります。勝手に自分で判断すると危険なので、必ず事前に確認しましょう。
また、お薬手帳を持っていけば、検査の結果と飲んでいる薬の関係をスムーズに確認してもらえます。

予防接種(ワクチン)のルール

【ルール】

  • 予防接種をした直後に、健康診断を受けるのは避ける。
  • 影響があるか心配な場合は、事前に確認する。

【どうしてダメなの?】
注射をしたあとは、熱が出たり、リンパ節(ワキの下などにある器官)が腫れたりすることがあります。とくに、胸のエコー検査(乳腺エコー)を受ける場合、ワクチンの影響でワキのリンパ節が腫れていると、病気と間違われやすくなります。
注射の種類によっては、健康診断の日程をずらしたほうがいい場合もあります。

女性向けのルール

【ルール】

  • 生理中のときは、尿検査、便の検査、子宮頸がん検診などをなるべく避ける。
    (どうしても受ける場合は、必ず担当の人に伝える)
  • 妊娠中や、妊娠の可能性がある方は、必ず事前に伝える。

【どうしてダメなの?】
生理中に尿や便の検査を受けると、血が混ざってしまい、本当は病気ではないのに「異常あり」という間違った結果が出やすくなります。
また、妊娠中の方は、お腹の赤ちゃんに影響が出る可能性があるため、レントゲン(X線検査)など一部の検査を受けることができません。

その他の大切なこと

  • 病気の治療歴をメモしておく:今までにかかった病気や飲んでいる薬について聞かれたとき、すぐに答えられるようにしておきましょう。
  • 過去の結果を持っていく:別の病院で受けた健康診断の結果があれば、持っていくと比べやすくなります。
  • 普段通りの姿を見てもらう:「健康診断があるから」といって、直前だけ慌てて食事を減らすなどの「悪あがき」をしても、最近の検査ではバレてしまいます。制限されていること以外は、いつも通りの生活を送って検査を受けましょう。

まとめ

健康診断の前のルールは、どれも「あなたの体の本当の状態を、正しく検査するため」に作られたものです。
直前に無理をして結果を良く見せようとせず、ありのままの体で検査を受けましょう。
もしわからないことや心配なことがあれば、遠慮せずに病院や健診センターに相談して、安心して検査に臨んでくださいね。

参考文献

  1. 健診作業班における主な変更点|厚生労働省
  2. 診療ガイドライン - 第2章 検尿の原則|日本腎臓学会
  3. The effect of coffee on blood lipids and blood pressure. results from a Norwegian cross-sectional study, men and women, 40–42 years, ScienceDirect, 1989
  4. Effects of Coffee and Tea Consumption on Glucose Metabolism: A Systematic Review and Network Meta-Analysis, PubMed, 2018
  5. 診療ガイドライン - 第3章 検尿の位置づけ|日本腎臓学会
  6. 患者の皆さまへ 高血圧|国立循環器病研究センター
  7. Effects of smoking and nicotine on the gastric mucosa: a review of clinical and experimental evidence, PubMed, 1994
  8. 人間ドックQ&A|日本人間ドック・予防医療学会
  9. 乳がん検診にあたっての新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応の手引き Ver.3.0|日本乳癌検診学会
  10. 過去のパブリックコメント|日本人間ドック・予防医療学会

【文責】Pep Up ラボ編集部

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※本記事は一般的な健康情報を提供しています。治療・相談は医療機関にご相談ください。

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