健診の基礎知識

ビリルビンで何がわかる?肝臓や胆嚢の健康チェックしよう!


7月28日は「世界肝炎デー」です。世界中で肝臓の健康を守るための啓発が行われるこの日、まずはご自身の健康診断結果を見直してみませんか?
今回注目していただきたいのが「ビリルビン」という項目です。聞きなれないかもしれませんが、肝臓や胆のう、赤血球の状態を知るうえでとても重要な指標です。
ビリルビンとは何か、数値が高いときに考えられる原因について解説します。

ビリルビンとは?

ビリルビンは、体の中で作られる黄色い色素で、抗酸化作用もある物質です。
赤血球の中にある「ヘモグロビン」が寿命を迎えて分解されるとき、まず「間接ビリルビン」ができます。これが肝臓で処理され、「直接ビリルビン」になります。
健康診断では、通常「総ビリルビン(間接+直接)」としてまとめて調べます。
基準値はおおよそ0.4~1.5mg/dLとされています(検査施設によって多少の差があります)。

「尿中ウロビリノーゲン」も関係ある?

健診結果に「尿中ウロビリノーゲン」という項目を見たことがある方も多いでしょう。
これはビリルビンが腸内細菌により分解されてできる物質で、正常でも尿中に少し含まれています。
多くの場合「±(プラスマイナス)」と記載されていれば問題ありません。

ビリルビンが高いときに考えられること

肝臓の異常

肝臓が弱っていると、ビリルビンを処理できずに血中にたまります。
この場合、AST、ALT、アルブミン、コレステロールなども確認されます。
肝炎や肝硬変などが疑われることがあります。

胆嚢や胆管の異常

胆汁の流れが悪くなると、血液中にビリルビンが逆流します。
胆石や胆嚢炎、胆管の腫瘍などが原因となることがあります。
γ-GTPやALPといった項目もチェックされます。

赤血球の異常(溶血)

赤血球が通常よりも早く壊れると(これを「溶血」といいます)、ビリルビンが増加します。
溶血性貧血や輸血後の反応などで見られます。

体質による高値(体質性黄疸)

特に病気がなくても、体質的にビリルビンが高くなる人がいます。
人口の3~16%に見られ、ストレスや断食、妊娠などで一時的に上がることもあります。
この場合は治療せず、経過観察で大丈夫とされています。

新生児黄疸について

赤ちゃんに多く見られる「新生児黄疸」は、肝機能が未熟なためにビリルビンを処理しきれずに起きる現象です。
多くは自然に改善しますが、値が高すぎる場合は治療が必要です。

健診で高値を指摘されたら

健康診断でビリルビンが高いと言われたら、必ず医療機関を受診して医師の指示に従いましょう。
追加で血液検査や、腹部エコー、CTなどの精密検査を行うことがあります。
黄疸(肌や白目が黄色くなる)や、全身のだるさ、腹痛がある方は特に注意が必要です。
また、お酒を控える・バランスのよい食事にするなど、生活習慣の見直しも大切です。

ビリルビンの意外なはたらき

実はビリルビンには、体の中で「酸化ストレス」を減らす作用があることも知られています。
心理的ストレスや炎症を抑える働きが期待されており、植物の中でも同様のはたらきをすることがわかっています。
さらに、総ビリルビンの値がやや高い人ほど、動脈硬化の予防効果があるという報告もあります。

もしビリルビンが高値となった場合でも「基準値よりも高い!」と慌てすぎず、他の項目の結果も併せて確認し、指示に従うようにしましょう。いずれにしても、結果をきちんと確認することが大切です。

まとめ

ビリルビンの数値は、肝臓や胆のうの健康状態を知る大切な手がかりです。
たとえ体質的なものでも、高値を指摘されたときは放置せず、医師の指示に従いましょう。
生活習慣を見直すことで、肝臓をいたわることもできます。
「なんとなく」結果を見るのではなく、自分の体からのサインとして受け止めていくことが大切です。

参考出典

  1. 専門医が教える見逃せない検査異常|日本臨床検査専門医会
  2. 臨床検査のガイドライン JSLM2021|日本臨床検査医学会
  3. 胆道がん|がん情報サービス
  4. 山口 登喜夫, 他. 低分子抗酸化物質(ビリルビンの抗酸化作用を主に). 生物試料分析. 2009. 32(4). pp281-288
  5. Kazuya Ishikawa, et al. Bilirubin is produced nonenzymatically in plants to maintain chloroplast redox status. Sci Adv. 2023. 9(23). eadh4787
  6. 判定区分2025年度版|日本人間ドック・予防医療学会

【文責】Pep Up ラボ編集部

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※本記事は一般的な健康情報を提供しています。治療・相談は医療機関にご相談ください。

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