そのお腹の症状、過敏性腸症候群かも?脳と腸の関係について

仕事に行く前や忙しい時期、なにか不安を感じたときなどに、よくお腹が痛くなったり便秘や下痢を繰り返したりしたことはありませんか?
今回の記事では、このようにストレスとも関係してさまざまなお腹の症状を引き起こす『過敏性腸症候群』についてご紹介します。
過敏性腸症候群とは?
小腸や大腸に炎症や腫瘍などの異常がないのに、腹痛とともに便秘や下痢を繰り返す病気です。
症状の出方は人によってさまざまですが、精神的なストレスに反応して症状が出現したり悪化することが多いのが特徴だと言われています。
過敏性腸症候群の診断
まずは、年齢や症状に応じて血液検査、尿検査、胃カメラや大腸カメラなどの検査を行って、感染症や自己免疫性疾患(自分の免疫力が自分の体を攻撃する病気)による腸の炎症、癌などの異常がないことを確認します。
そのうえで、診断基準に則って過敏性腸症候群として矛盾がないかが医師によって検討され診断されます。
過敏性腸症候群の原因
腸と脳は関係が深い(腸脳相関)
腸は『第二の脳』と言われるほど神経細胞が豊富にあり、迷走神経などの神経を通じて常に脳と交信しています。
このため、誰でも脳の活動や精神状態が腸の動きに影響を与えますし、逆に腸内環境の良し悪しが感情などにも影響を与えることがわかっています。
過敏性腸症候群では、明確な原因はまだ不明ですが、精神的なストレスによって通常よりも余計に腸の動きが活発になったり異常な動きをしたりする、『知覚過敏』の状態になっているといわれています。
腸内細菌の乱れも関係している?
人間の腸の中ではおよそ1,000種類、100兆個もの細菌が生きており、『腸内細菌』と呼ばれます。
個々人の腸内細菌の種類は、出生時~新生児期にお母さんまたは周りの環境に影響されると言われていますが、食事など生活習慣でも変化し、腸内細菌のバランスが乱れると体に様々な異常をきたすことがわかっています。
過敏性腸症候群においても、腸内細菌の乱れが関係している可能性が考えられています。
ひとりで悩まず、医療機関へ相談を
過敏性腸症候群として対応するには他の病気がないか検討し確認することが重要です。
検査やその後の治療を考える場合には、胃腸科や消化器内科といった標榜のある医療機関への受診が望ましいでしょう。
過敏性腸症候群の予防と対応
症状を改善するためには、まずは生活習慣の改善が重要です。
食事は規則正しく、暴飲暴食、アルコール、刺激物や脂質の多い食事は避けましょう。
食物繊維は、便の硬さを整えたり善玉菌のエサになりやすい『水溶性食物繊維』をたくさん食べることが重要です。
水溶性食物繊維は、ひじきなどの海藻類、里芋などの芋類、納豆などの大豆製品、ごぼうやりんごなどの一部の野菜と果物、もち麦などに含まれています。
また、十分な睡眠や休養、適度な運動で体と心のバランスを整えましょう。
薬の利用
どんな薬剤を使えばよいかは、症状のタイプや状況によって異なり、場合によっては心理状態に作用する薬も必要となる場合があります。
すぐに満足な効果が得られるとは限らないため、長い目で主治医と相談しながら治療を受けることが大事です。
また、症状を改善させる可能性のある薬は、ドラッグストアなどで購入可能なものもあります。
医療機関に受診する時間が取りにくく、症状が重くない場合などは、対応を検討してみてください。
その場合もドラックストアの薬剤師や登録販売者などに相談してみてください。
- トリメブチンマレイン酸塩:腸の動きを調整する。
- ペパーミントオイル:腸の筋肉を和らげる
- 酸化マグネシウム:便を軟らかくする。
- 桂枝加芍薬湯:下痢や腹痛、張りを和らげる。
- ロペラミド:腸の動きを鈍くし、下痢を止める。
- ミヤサリンやビフィズス菌:腸内細菌(善玉菌)として働く。
(※)1. 2. はすでに診断と治療を受けたことがある人のみ、購入可能です。
まとめ
過敏性腸症候群は長期間悩ましい症状を繰り返し、仕事や生活の質にも悪い影響を与え、近年のストレス社会において注目されています。
「もしかして…」と思ったら、生活習慣の改善にトライしながら、医療機関への受診も検討してください。
参考出典
- 過敏性腸症候群ガイドライン 2020|日本消化器病学会
- 患者さんとご家族のための過敏性腸症候群(IBS)ガイド 2023|日本消化器病学会
https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/disease/pdf/ibs_2023.pdf





