世界脳卒中デーに考える、脳卒中予防ためにできること

毎年10月29日は「世界脳卒中デー」です。日本でも多くの人が脳卒中を経験し、後遺症で元の生活が難しくなることがあります。
本記事では国内データをもとに、現状(疫学)、症状・後遺症、原因・予防法を説明します。
知っておきたい要点
- 日本で治療中の脳血管疾患患者は約188.6万人。
- 国内の脳卒中発症は年間約29万人と推計されています。
- 発症後は運動・言語・認知機能などに後遺症が残ることも多く、リハビリが必要になる場合があります。
- 高血圧・糖尿病・脂質異常・喫煙など生活習慣が主なリスク。日々の改善と定期チェックで予防可能です。
日本の脳卒中の状況
脳卒中は脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の総称です。
令和5年「患者調査」では、脳血管疾患の総患者数は約188.6万人。死亡は令和4年で脳梗塞5万9,000人、脳出血3万3,000人、くも膜下出血1万1,000人。
発症は年間約29万人と推計され、誰にでも起こりうる病気です。
症状と後遺症
脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで脳の一部が働かなくなる病気です。
代表的な初期症状を覚える合言葉として「FAST」があります。これは次の4つのサインの頭文字を取ったものです。
F(Face) | 顔の片側が垂れ下がる、笑顔がゆがむ |
|---|---|
A(Arm) | 片方の腕や脚に力が入らない、上げられない |
S(Speech) | 言葉が出ない、ろれつが回らない、言っていることが理解できない |
T(Time) | 時間との勝負!すぐに救急要請を |
ACT-FASTと言われており、このような症状が出た場合は、ためらわずに119番通報をしましょう。
救命後も、麻痺・失語・認知低下・嚥下障害などの後遺症が残ることがあり、リハビリテーション(理学療法・作業療法・言語療法など)の継続などによって、復職や介護予防、生活の質を保つための取り組みが必要となる場合もあります。
脳卒中の原因とリスク
遺伝的な要因なども関わりますが変えられる要因も多く、予防のためには以下のような内容に気を付けることが重要です。
- 高血圧:最重要リスク。血管ダメージで発症率上昇。
- 糖尿病・脂質異常・肥満:動脈硬化を進める。
- 喫煙・過度の飲酒・運動不足:血管・心臓に負担。
- 心房細動:塞栓性脳梗塞の原因。脈チェックも有用。
健診で血圧・血糖・脂質に「要精査/要治療」が出たら、放置せず治療をおこなっていくことが発症予防につながります。
今日からできる予防法
- 測る習慣:家庭血圧や定期的な健診で血圧・血糖・脂質を確認。異常は早めに受診。
- 食事:減塩(目安6g/日未満を意識)、野菜・果物・魚を中心に。
- 運動:速歩など中等度週150分を目安。座りすぎに注意。
- 禁煙・節酒:禁煙支援の活用を。
- 体重管理:適正体重の維持。
- 専門チェック:複数リスクのある人や家族歴がある人は、医師相談や脳ドックで血管の状態を把握。
小さな改善の積み重ねが、将来の発症と後遺症を減らします。
まとめ
世界脳卒中デーは、自分や家族の健康を見つめ直す良いきっかけです。
脳卒中は「誰にでも起こる」病気ですが、日々の生活でリスクを下げることができます。
今日からできる小さな一歩──血圧を測る、野菜を1品増やす、タバコを1本減らす──を積み重ねていきましょう。
参考出典





