医療保険制度

介護は突然やってくる? 「要介護」になる3つの原因と、今日からできる予防法


高齢化が進む日本では、介護保険はますます欠かせない仕組みになっています。
とはいえ、制度や数字の話は難しく感じられがちで、つい「自分にはまだ関係ない」と思ってしまうかもしれません。

しかし、いざ介護が必要になると、家計や家族の生活に大きな影響を与えます。
日本はすでに、約3人に1人が65歳以上という社会になり、親の介護がより身近な課題となりました。

だからこそ、「何が原因で介護が必要になるのか」「どこまで予防できるのか」を知っておくことが、自分と家族を守る近道になります。
今回は、介護が必要になる主な原因と、健康寿命を延ばすために今日から始められるポイントを解説します。

知っておきたい要点

  • 「要支援」は家事などの一部の手伝い、「要介護」は食事や入浴など毎日の手伝いが必要な状態。
  • 介護が必要になる原因のトップは「認知症」「脳血管の病気」「骨折・転倒」。
  • これらは「運動」「食事」「人とのつながり」で予防できる可能性が高い。
  • 元気に自立して生活できる期間(健康寿命)を延ばすことが、介護予防につながる。

「要支援」と「要介護」の違いって?

年齢が高くなるにつれて、日常生活で誰かの手伝い(介助)が必要になる人の割合は増えていきます。
「歳だから仕方ない」とあきらめず、まずは状態の違いを知りましょう。

介護のレベルには、大きく分けて「要支援(ようしえん)」と「要介護(ようかいご)」があります。

要支援(1・2)

要介護(1~5)

どんな状態?

できることは多いが、家事など生活の一部に手伝いが必要な状態。

食事・入浴・移動など、毎日の生活でずっと手伝いが必要な状態。
(数字が大きくなるほど手伝う量が増えます)

具体例

・買い物には行けるが、重い荷物を持つのは難しい。
・掃除や洗濯を全部自分でやるのは大変。
・バスや電車の乗り降りに支えがあると安心。

・お風呂は手伝いがないと危険。
・トイレに行くときに見守りや手伝いが必要。
・物忘れが増え、火の始末や薬の管理ができない。
・寝返りや食事も自分ではできない。

目指すゴール

今の状態をキープし、要介護に進まないようにする。

安全に安心して過ごせるように支え、家族の負担も減らす。

実際の介護度は、自分や家族が決めるのではなく、市区町村の担当者が自宅などに聞き取り調査に来て、お医者さんの意見も合わせて決定されます。

なぜ介護が必要になるの?(主な原因)

厚生労働省の調査によると、介護が必要になる原因には、次のような特徴があります(5)。

【要支援・要介護になった原因トップ3】

  • 要支援になった原因
    1位:関節の病気(膝や股関節の変形など) 19.3%
    2位:高齢による衰弱(フレイル) 17.4%
    3位:骨折・転倒 16.1%
  • 要介護になった原因
    1位:認知症 23.6%
    2位:脳血管疾患(脳卒中など) 19.0%
    3位:骨折・転倒 13.0%

ここで注目してほしいのは、「予防できるかもしれない原因」が上位に多いということです。
完全に防ぐことは難しくても、食事や運動、生活の工夫によって、これらの病気やケガを防ぐ確率を上げることはできます。

「健康寿命」を延ばして介護を遠ざけよう

介護予防で大切なのは、「健康寿命(けんこうじゅみょう)」を延ばすことです。
健康寿命とは、介護などに頼らず、自分だけで元気に生活できる期間のことを言います。

日本では、平均寿命と健康寿命の間に、男性で約8〜9年、女性で約11〜12年の「差」があります。つまり、人生の最後の約10年間は、何らかの介護や支援が必要になっている人が多いということです(6)。
この差を少しでも縮めることが、介護の必要性を減らすことに直結します。

健康寿命を延ばすためには、特別なトレーニングは必要ありません。毎日の生活の中で、次のようなことを意識してみましょう。

  • 運動:歩く+バランス運動
    ウォーキングに加えて、スクワットや片足立ちなど、筋力やバランスを保つ運動を週に数回取り入れましょう。転んだり骨折したりするのを防ぎます。
  • 食事:お肉や魚をしっかり食べる
    毎食、肉や魚、卵、大豆製品などの「たんぱく質」をしっかり食べましょう。筋肉が落ちて体が弱ってしまうこと(フレイル)を防ぎます。
  • 社会参加:人と関わり続ける
    地域の活動に参加したり、趣味の集まりに出かけたり、仕事を続けたりして、人と話す機会を持ちましょう。孤立を防ぎ、認知症の予防にもつながります。

まとめ

要介護になるかどうかは、年齢だけで決まるものではありません。
日々の生活習慣や、社会との関わり方によって大きく変わります。

「運動」「食事」「人とのつながり」といった、毎日の小さな工夫を積み重ねることで、介護が必要になる期間を減らすことができます。
自分や家族の未来のために、「今日からできること」に目を向けることが、これからの時代を楽しく過ごす第一歩になります。

参考文献

  1. 令和6年版高齢社会白書(全体版):高齢化の現状と将来像|内閣府
  2. 第2節 高齢期の暮らしの動向(1)|内閣府
  3. 人手不足に対する企業の動向調査(2025年1月)|帝国データバンク
  4. 第2節 高齢期の暮らしの動向(2)|内閣府
  5. 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省
  6. 健康寿命の令和4年値について|厚生労働省

【文責】Pep Up ラボ編集部

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※本記事は一般的な健康情報を提供しています。治療・相談は医療機関にご相談ください。

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