60%以上が再発する!?ぎっくり腰の原因と対策

ぎっくり腰を経験したことがあるという方は多いのではないでしょうか?突然激しい腰の痛みが起こることから「魔女の一撃」と例えられています。
60%の方が再発するとの報告もある非常に有名な症状ですが、実はまだ解明されていないことも多く存在します。
この記事では、ぎっくり腰の概要や腰が痛みやすい理由、ぎっくり腰の対応策などについて解説します。
ぎっくり腰は「急性腰痛症」
ぎっくり腰とは、医学的な病名ではありません。正式名称は「急性腰痛症」であり、急激に発症した腰痛のことです。
重い物を持ち上げた時など、急に腰へ負担がかかることで発症すると言われていますが、明確な原因は現時点では医学的に解明されておらず、発症した時に体の中で何が起こっているのかについてはよく分かっていません。
腰痛の多くは原因不明?
腰痛は、医師の診察および画像の検査(X線やMRIなど)で腰痛の原因が特定できる「特異的腰痛」と、厳密な原因が特定できない「非特異的腰痛」に分かれます。
以前まで、腰痛のほとんどが「非特異的腰痛」であるといわれており、その割合は85%程度とも考えられていました。
しかし近年では見直しが行われており、原因不明の腰痛は22%程度であると報告されています。
ぎっくり腰は「非特異的腰痛」に分類されます。
非特異的腰痛の原因ははっきりとわからないものの、多くは筋肉の緊張や負担、日常の姿勢、ストレスなどによって引き起こされる可能性があると言われており、これらの要因を取り除くことで予防や改善ができるとも考えられています。
代表的な特異的腰痛
代表的な特異的腰痛は以下の通りです。
- 椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- 圧迫骨折
- 脊椎分離すべり症
これらの疾患は、重症化すると動けないほどの強い腰痛・下肢のしびれだけでなく、排尿や排便のコントロールが難しくなる場合もあります。
腰痛に加えてしびれなどが気になる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
腰が痛みやすいのは可動性がないから
ぎっくり腰を発症する原因の1つとして、無理に腰を動かすことが挙げられます。
腰を回すという表現を聞いたことがあると思いますが、実は腰自体は動く範囲が狭く、少し無理な動きをするだけで大きな負担がかかってしまいます。
腰に負担がかからずに、ぎっくり腰になりにくくするためのポイントは股関節を意識することです。
腰に対して股関節は動く範囲が広く、しゃがんだり体をひねったりするときに股関節から動かすことを意識することで、腰への負担を軽減することができます。
物を持ちあげる、しゃがむ、振り返るなどの日常的な動作で腰を動かし過ぎていないか、確認してみましょう。
日常的なストレッチや筋トレも重要
日常的にストレッチや体幹を中心とした筋力トレーニングを行うことで、腰周りの筋肉がリラックスしたり、腰を支える力が強化されることで、腰にかかる負担が軽減できます。
例えば、仰向けに寝て両膝を立て、左右にゆっくり倒すストレッチは、腰回りの筋肉を気持ちよく伸ばせます。
また、椅子に浅く腰掛け、片方の足首を反対の膝に乗せて体を前に倒すストレッチは、股関節の柔軟性を高めるのに役立ちます。
筋力トレーニングではプランクなどの体幹トレーニングが効果的と言われています。
イスに腰かけたまま大きく足踏みを行うだけでも、腰痛予防に効果があると言われているので、出来ることから始めてみましょう。
他にもピラティスなど全身を使った運動も腰痛の改善に効果があると言われています。
ぎっくり腰を発症しても、長期間の安静は避ける
どれだけ注意しても、ぎっくり腰を発症してしまうことがあります。
ぎっくり腰を発症した場合でも、必要以上に安静にし過ぎると、筋力や柔軟性などの全身の機能が低下し、慢性的な腰の痛みが残る場合や再発の可能性が高くなる場合があります。
個人差はありますが2〜3日程度は腰の筋肉や靱帯などの炎症が強いため、痛めた場所を冷やしたり、痛み止めや湿布を利用するなど無理のないようにしながらも、痛みに合わせてできるだけいつも通りの生活を意識しましょう。
ただし、強い痛みが生じる場合は無理に動かず、痛みが続く場合や動けないほどの痛みがある場合は、早めに医療機関を受診して、適切な診断と治療をうけることも重要です。
まとめ
ぎっくり腰は、急激に発症した腰痛のことで、激しい痛みが生じます。日常生活の中で股関節を意識するなど腰への負担を軽減させることが重要です。
ストレッチや筋力トレーニングは腰痛の予防・改善に効果的といわれているため、普段から行うようにしましょう。
ぎっくり腰を発症したあと、必要以上に安静にしていると慢性的な痛みが残ってしまう場合もあります。
安静期間は2〜3日程度を目安にして、それ以降は無理のない範囲で動くようにしましょう。
参考出典
- ぎっくり腰|日本整形外科学会
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/acute_low_back.html - 腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)|日本整形外科学会・腰痛診療ガイドライン策定委員会
- Hidenori Suzuki et al,Diagnosis and Characters of Non-Specific Low Back Pain in Japan: The Yamaguchi Low Back Pain Study,PLOS ONE,11(8),2016
- Matsudaira K, et al. Comparison of Physician’s Advice for Non-specific Acute Low Back Pain in Japanese Workers: Advice to Rest Versus Advice to Stay Active. Ind Health, 2011(49), 203-208
- 腰痛予防対策|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31158.html - Ryutaro Fujii et al,Kinematics of the lumbar spine in trunk rotation: in vivo three-dimensional analysis using magnetic resonance imaging,European Spine Journal,Jun,16(11),2007,1867–1874
- R. Fernández-Rodríguez et al,Best exercise options for reducing pain and disability in adults with chronic low back pain: Pilates, strength, core-based and mind-body. A network meta-analysis,Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy,52(8),2022,505-521





