その動悸、見過ごしていませんか?心房細動の“静かなリスク”と自宅での心電図セルフチェックのすすめ
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「ちょっとドキドキするだけ…」に隠れた危険信号
朝の通勤電車でふと感じる動悸、仕事中の軽い息切れ――。
「疲れているだけかな」とやり過ごしていませんか?
実は、その“なんとなくのドキドキ”の背後に、不整脈、特に心房細動という疾患が隠れている可能性があります。自覚症状がほとんどない場合もあり、放置すると命に関わる重大なリスクに繋がることもあるのです。
心房細動とは?知られざる「沈黙の不整脈」
心臓は電気信号によって一定のリズムを刻んでいますが、この電気信号が乱れてリズムが不規則になるのが不整脈です。
中でも心房細動は、心臓の上部(心房)が小刻みに震え、正常な収縮ができなくなる状態。心房細動が起こると、血液が心房内でよどみ、血栓(血の塊)ができやすくなります。
この血栓が血流に乗って移動し、脳の血管に詰まって脳梗塞を、心臓の冠動脈に詰まれば心筋梗塞を引き起こす恐れがあります。
心房細動が原因とされる脳梗塞は全体の約20〜30%にものぼるとされ、突然の発症で命に関わるケースもあります。また、元々心房細動を持っている人は、そうでない人に比較し、約2倍心筋梗塞になりやすいというデータもあります。

しかも、一度脳梗塞を起こしてしまうと、後遺症が残る可能性も高く、日常生活への影響は非常に大きくなります。
健診では見逃されることも。外出先や自宅での心電図セルフチェックという新習慣
心房細動にはいくつかの種類があり、発作性の心房細動の場合には、普段は正常なリズムでもある日突然リズムが乱れるため、定期健診や病院の心電図検査でも見逃されるケースが珍しくありません。
心房細動などの不整脈を早期に発見するためには、日常から心電図をセルフチェックすることが有用とされています。
最近では、外出先や自宅で簡単に使用できる携帯型心電計や、心電計と血圧計が一緒になった機器が普及しています。わずか数十秒で測定が完了し、アプリで心電図を解析、異常を発見することが可能です。また測定したデータも保存することができます。
また、日常生活の中で異常所見を発見することも重要ですが、普段から「異常所見がない」という確認をすることも重要です。

このように、家庭でも簡便に計測できる心電計にはいくつかの使い方があり、目に見えない心臓の動きを日常的にチェックする「心電図のセルフチェック」は予防的な観点でもとても役に立ちます。
医師に聞いてみた:こんな人は要注意。
では、特にどんな人がこの心房細動に気を付けるべきなのでしょうか?医師に聞いてみました。
「高血圧のある方、糖尿病の方、喫煙習慣がある方は特にリスクが高くなります。
心房細動は発作的で無症状なことが多く、日常のリズム記録が診断のカギになります。短時間の診察で確認できる情報には限界がありますが、患者さんが普段から測定してくれていると、非常に参考になります。リスクの高い方はぜひ測定習慣を取り入れてほしいですね。
最近では、ご自身で測定された結果をもって初診に来る方が増えました。診療方針をスムーズに立てられますので、医師としてもありがたいですね。
まとめ
不整脈や心房細動は「静かな病気」です。
日々のわずかな注意とセルフモニタリングが、未来の健康を守る最大の武器になります。
気になる動悸を感じたら、心電計での計測をしてみる、放置せず循環器内科等を受診してみるなど、早めに対応することをおすすめします。
参考文献・出典
- 日本循環器学会・日本不整脈心電学会合同ガイドライン 2022 年改訂版不整脈の診断とリスク評価に関するガイドライン|日本循環器学会・日本不整脈心電学会・日本心臓病学会
- 心房細動について|国立循環器病研究センター
- Elsayed Z Soliman, et al. Atrial fibrillation and the risk of myocardial infarction. JAMA Intern Med. 2014. 174(1). 107-114
- 家庭用心電計を上手に利用しよう|日本心臓財団





