男女の健康

昔の女性より生理が9倍も多い!? 現代の女性が気をつけたい子宮の病気


現代の女性が一生のうちに経験する生理(月経)の回数は、約450回にもなると言われています。実はこれ、100年前の女性と比べると約9倍にも増えているのです。

生理が起こるたびに「エストロゲン」という女性ホルモンが出ますが、このホルモンの影響を受ける回数が増えたことで、子宮の病気を引き起こしやすくなっていると言われています。
今回は、女性特有の病気のなかでも、とくにかかりやすい「子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)」「子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)」「子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう)」の3つについて、わかりやすく解説します。

知っておきたい要点

  • 現代の女性は生理の回数が多く、子宮の病気になりやすい環境にある。
  • 20代〜40代に多い「3つの子宮の病気」は、ひどい生理痛などの原因になる。
  • 女性ホルモンが関係しているため、閉経すると症状が良くなることが多い。
  • すぐに手術になるわけではないので、生理の悩みがあれば早めに婦人科へ。

女性がかかりやすい3つの良性の病気とは?

女性がかかりやすい「子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症」の3つをまとめて、「女性3大良性疾患(りょうせいしっかん)」と呼ぶことがあります。「良性」とは、がんのような悪性の病気ではないという意味です。

これらの病気には、次のような共通のルール(特徴)があります。

  • 女性特有の病気である
  • 子宮や、骨盤(こつばん)の中の臓器にできる
  • 女性ホルモン(エストロゲン)の影響で大きくなる
  • がんではないが、できもののように大きくなったり広がったりする
  • 20代〜40代の女性にとても多く見られる
  • ひどい生理痛や、生理の血の量が多くなり貧血の原因にもなる
  • 妊娠しにくくなることがある
  • 毎日の生活をとても過ごしにくくする
  • 治療の進め方がほとんど同じである

それぞれの病気の特徴

子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症の特徴を以下の表にまとめました。

病気の名前

どんな病気か

主な症状

病気にかかる割合

子宮筋腫
(しきゅうきんしゅ)

子宮に「良性のできもの(こぶ)」ができる病気

・生理の血の量が増える
・生理痛
・腰痛
・トイレが近くなる

30歳以上の女性の
20%~30%

子宮内膜症
(しきゅうないまくしょう)

子宮の内側にあるはずの組織が、子宮以外の場所(卵巣など)に広がってしまう病気

・生理痛
・不妊
・腰痛
・下腹部の痛み

20〜40代の女性の
約5%~10%

子宮腺筋症
(しきゅうせんきんしょう)

子宮の内側にあるはずの組織が、子宮の筋肉の中に広がって入り込んでしまう病気

・生理の血の量が増える
・生理痛

女性の
20~30%

20代〜40代の女性がこれらの病気にかかることは、決して珍しいことではありません。
また、いずれの病気も急激に悪化することは少ないため、過度に心配しすぎる必要はありません。これらは女性ホルモンが原因で大きくなるため、閉経(生理が完全になくなること)を迎えると、多くの場合、症状は良くなっていきます。

「チョコレート嚢胞(のうほう)」には注意が必要

子宮内膜症という病気が「卵巣(らんそう)」で起こると、そこに古い血液がたまってしまいます。これがチョコレートのように見えるため、「チョコレート嚢胞」と呼ばれます。

このチョコレート嚢胞ができた場合には、少し注意が必要です。手術をした人のうち、約3.4%に卵巣がんが一緒に見つかったという報告があるからです。
とくに、次のような場合は卵巣がんのリスクが高いとされているため、MRI(磁石を使った詳しい検査)を行ったり、手術をしたりすることがあります。

  • 40歳以上で、10cm以上の大きな嚢胞がある場合
  • チョコレート嚢胞が、急激に大きくなっている場合

自分に起きている症状だけで、どの病気にかかっているのかを判断するのはとても難しいです。「生理痛がひどい」「血の量が多い」「妊娠を希望しているがなかなかできない」といった症状がある場合は、がまんせずに早めに婦人科(ふじんか)を受診するようにしましょう。

診断と治療の方法

これらの病気は、婦人科での診察と、超音波(エコー)検査によって診断されます。病変が大きい場合や手術を考えている場合は、MRIを使ってさらに詳しく調べます。

治療の仕方は、症状の重さだけでなく、「患者さんの年齢」や「これから妊娠を希望するかどうか」などをよく考えて決められます。

基本的には、まず痛み止めや血を止めるお薬などを使い、症状を見ながらホルモン剤のお薬を使っていく治療から始めます。
薬で症状が良くならない場合や、できものが大きすぎる場合などには、手術を行うこともあります。しかし、手術には出血のリスクなどもあるため、必ずしもすぐに手術をするわけではなく、患者さんと相談しながら慎重に進められます。

まとめ

今回は、女性特有の病気としてかかりやすい「女性3大良性疾患」を紹介しました。
どれも急激に悪化することは少なく、婦人科を受診したからといって、すぐに手術になるようなことはほとんどありません。

生理のことで悩みがある場合や、妊娠について気になっていることがあるときは、怖がらずに一度、婦人科を受診してみましょう。

参考文献

  1. 子宮内膜症(卵巣がんとの関係について)|公益社団法人 日本婦人科腫瘍学会
  2. 百枝幹雄(編).子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症 診療マニュアル 女性3大良性疾患を診る.診断と治療社,2013
  3. 子宮筋腫|公益社団法人 日本産科婦人科学会
  4. 子宮内膜症|公益社団法人 日本産科婦人科学会
  5. 子宮腺筋症のゲノム解析から発症と子宮内膜症併発に関連する遺伝子変異を発見|国立研究開発法人 国立がん研究センター
  6. 子宮筋腫|公益社団法人 日本婦人科腫瘍学会

【文責】Pep Up ラボ編集部

Pep Up ラボは、JMDCが運営する健康情報メディアです。
レセプト・健診データなどヘルスケア領域のデータ事業で培った知見をもとに、日々のくらしに役立つ健康・予防・医療の情報を、医師を含む社内外の医療専門職の監修のもとでお届けしています。

JMDC コーポレートサイト:https://www.jmdc.co.jp/

※本記事は一般的な健康情報を提供しています。治療・相談は医療機関にご相談ください。

関連記事