Pep Upラボ
睡眠・こころの健康

スムーズな入眠のために効果的な4つの入眠儀式


睡眠は健康や日常生活に大きく影響します。
睡眠のメカニズムを理解し健康にとって大事だということがわかっても、上手く睡眠がとれず何をしていいかわからないという方も多いと思います。

今回はスムーズな入眠のために効果的な「入眠儀式」についてご紹介します。

入眠儀式で睡眠のスイッチを入れる

睡眠前の何気ない習慣が睡眠とつながっている可能性があります。
睡眠学の世界では「入眠儀式」といわれ、眠れない時のおまじない代わりになるともいわれています。
ただし、眠りを妨げてしまう行動もあるので注意が必要です。
体を眠りにつきやすくする「入眠儀式」は脳に「これから眠ります」というサインを送る行動のことで、寝る前の習慣を少し意識するだけなので特に難しいことはありません。

副交感神経を優位に

睡眠の質を高めるために、重要な要素として「自律神経」があります。
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」にわかれますが、副交感神経は体と心が「休息モード」のときに優位になり、血圧が下がる・脈がゆっくりになるなどリラックスした状態になります。そのため、副交感神経が優位になると眠気が生じ、睡眠中の疲労回復を進め、起床後の活動のために心身を整えていきます。
入眠儀式として副交感神経を優位にするようなものが行われることで、睡眠の質が高められるかもしれません。

就寝前に入眠儀式を上手に取り入れるには、自分に合った方法を見つけることがポイントです。寝る前に良いからといって慣れないことを無理にする必要はありません。
おすすめの入眠儀式の方法をいくつかご紹介します。

4つの入眠儀式

体を温める

眠りと体温はとても深い関係にあります。
人は眠りにつくとき、体の中心の温度(深部体温)を下げて脳や体を休ませようとします。体の表面が冷えていたりすると、この仕組みが上手く働きません。寝る前に温かい飲み物などを飲んで体を温めておきましょう。他にも、入浴や足湯、アイウォーマーやレッグウォーマーをするなどがおすすめです。

ただし、入眠直前のホットミルクには注意が必要です。
昔から就寝前にはホットミルクを飲むと良いといわれてきました。
しかし最近の研究では、それらが体内に入ってすぐには効果がでないことがわかっています。むしろ入眠直前の飲食は血糖値を上げ、胃腸が働き、体は休まるどころか覚醒してしまいます。体を温めることが目的なら、白湯などがよいでしょう。

合わせて、「寝酒」も以前は入眠を促すと考えられていましたが、お酒には利尿効果があり、眠りを中断させることがあるためおすすめできません。体内に入ったアルコールが分解されて発生するアセトアルデヒドは体を覚醒させる作用があるため、必然的に睡眠の質も下がってしまいます。

部屋の明かりを落とす

就寝のおよそ2時間前から室内の明かりは落としましょう。特に就寝直前に強い光を目にしてしまうと、睡眠ホルモンとも言われる「メラトニン」の分泌が抑えられてしまいます。
特に「ブルーライト」の制御がよりよい睡眠をとるために重要となります。そのため、スマホやテレビの使用も気をつけたいところです。
最近は看板や信号にもLEDが使われているため、これらの明かりが入らないようにリビングや寝室などには遮光カーテンをつけるとよいでしょう。
室内の照明は、ブルーライトに比べてメラトニン抑制の影響が低いオレンジなど暖色系の間接照明がおすすめです。また夜遅い時間に外を歩く時は、コンビニやスーパーなど照明が明々とした店に立ち寄るのも避けるようにしましょう。

就寝前に本を読む方も多いと思いますが、本を読むためには、ある程度の明るさが必要です。しかし実は「昼光色」や「昼白色」の蛍光灯にもスマホなど同様にブルーライトが含まれています。
ついつい読書に夢中になり、強い光を目にし続けると結果的に脳が覚醒してしまうこともあるので注意してください。

好みの音や音楽を流す

人は無音よりも何か音がある方が心地よく感じることがあります。うるさいと感じない程度に好みの音楽や音をかけることで、スムーズな眠りにつながることがあります。入眠用のBGMや音楽や音を組み合わせて自分好みのメロディーを作れるアプリを活用するのも良いかもしれません。

呼吸を整える

ゆったりとした呼吸を意識することでリラックスしましょう。軽いストレッチをすることで呼吸を整えるのも良いですし、腹式呼吸や瞑想なども効果的です。嗅覚に働きかけるアロマを活用するのも良いと言われています。

自分に適した習慣を

科学的にはNGであっても、「これをやるとぐっすり眠れる」という人もいるかもしれません。 たとえば、就寝直前のホットミルクや長時間の読書は科学的にみると理想的な行動ではないのですが、実際に良く眠れてしまうという成功体験が繰り返されると、理屈を超えてよい習慣として認知されます。
体に負担がかかることはもちろん避けるという前提は忘れることなく、自分にとって最も行いやすく、リラックスできることを入眠儀式にするとよいでしょう。

まとめ

入眠儀式として最も避けたいのは、眠くないのに寝ようとすること。
また、決めたことを完璧にやろうとしすぎるのはよくありません。できないことがストレスになって、かえって眠れなくなる可能性があります。
眠れないときは寝ようとがんばりすぎず、ゆったりと入眠儀式を楽しみながら、自然と眠くなるのを待って寝るようにしましょう。
旅先などで場所が変わっても似たようなことができるというのも重要です。
「儀式」とはいえ大袈裟に構えず、できそうなことを今晩から試してみてはいかがでしょうか。

参考出典

  1. 健康づくりのための睡眠ガイド 2023| 厚生労働省
    https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf

【文責】Pep Up ラボ編集部

Pep Up ラボは、JMDCが運営する健康情報メディアです。
レセプト・健診データなどヘルスケア領域のデータ事業で培った知見をもとに、日々のくらしに役立つ健康・予防・医療の情報を、医師を含む社内外の医療専門職の監修のもとでお届けしています。

JMDC コーポレートサイト:https://www.jmdc.co.jp/

※本記事は公開日時点の情報をもとに作成しています。制度や医療情報は変更される場合があります。
気になる症状や治療については、医療機関へご相談ください。

シリーズ

  1. 残暑でもぐっすり眠る!夜間熱中症から身を守る5つのポイント(秋の睡眠健康週間)
  2. 日常の悩み第1位は「眠れないこと」ー睡眠を整える5つの習慣
  3. スムーズな入眠のために効果的な4つの入眠儀式
  4. 【睡眠講座⑭】睡眠不足は平均1時間!人類の歴史から、現代の睡眠傾向を探る

関連記事