生活習慣病

血圧高めは熱中症のリスク!?高血圧が熱中症を招くワケ


夏になると増える「熱中症」。実は血圧の高い方は熱中症にかかりやすいことをご存じでしょうか?

この記事では、高血圧症の方が熱中症にかかりやすい理由と、すぐに実践できる予防法をわかりやすく解説します。

知っておきたい要点

一見、高血圧と熱中症は無関係に思えますが、実は深い関係があります。血圧の調整には体温や水分バランスの維持が関わっており、高血圧の人はこの調節機能がうまく働きにくくなります。さらに、血管の柔軟性の低下や降圧薬の影響によって、熱が体にこもりやすくなることも。そのため、夏は特に注意が必要です。
予防には、こまめな水分補給や適切な室温管理、塩分の取り方など、日常生活でできる工夫が大切です。暑い季節を安心して乗り切るために、体調管理を見直してみましょう。

熱中症とは

熱中症とは、高温や高湿度の環境下で体温調節機能が乱れ、体内に熱がこもってしまう状態を指します。
私たちの体は暑さを感じると、汗をかいて体温を下げたり、血管を広げて熱を逃がしたりしています。この調節がうまくいかなくなると、体温が急上昇して熱中症を発症するのです。
熱中症の初期症状は、頭痛・吐き気・めまい・だるさなどがあります。これらを放置したままだと、重症化して意識障害・けいれん・多臓器不全に至ることもあります。

高血圧症とは

高血圧とは上の血圧(収縮期血圧)が140mgHg以上、または下の血圧(拡張期血圧)が90mgHg以上の状態です。
なお、「高血圧」は一時的に血圧が高い状態のことを指す言葉で、繰り返し測定しても慢性的に血圧が高い状態は「高血圧症」と呼ばれます。
厚生労働省の調査によると、日本において収縮期血圧が140mgHg以上の方の割合は、男性で27.5%、女性で22.5%とされており、高血圧はとても身近な状態であるといえます。

高血圧症は自覚症状に乏しいため、日常生活では意識されにくいかもしれません。しかし、血圧は体温や水分バランスの調節に深く関わっています。高血圧症の方はこの調節機能がうまく働かず、熱中症にかかるリスクが高くなるため、変動しやすい暑い季節は注意しなければなりません。

高血圧症だとなぜ熱中症にかかりやすいの?

ある研究によると、降圧薬を服用している高血圧症患者は、そうでない方に比べて熱中症の診断リスクが1.7倍、入院リスクは3.5倍に上ると報告されています。
高血圧症の方が熱中症にかかりやすい理由には、以下の点が挙げられます。

血管の柔軟性の低下

高血圧の状態が持続すると、動脈硬化(血管が硬くなること)が進み、血管が硬く狭くなります。
これにより、血管の拡張による放熱がうまくいかなくなるため、特に気温が高い季節では体温が上昇しやすくなります。

降圧薬による体温調節機能への影響

高血圧治療に用いられる薬のなかには、体温調節機能に影響を及ぼすものがあります。
たとえばβ遮断薬は心拍数を抑えることで心臓の負担を減らしますが、その結果体温を放散させるための血流調整がうまくいかなくなり、熱がこもってしまうことがあります。
また、利尿薬は体内の水分量を減らすため、熱による発汗で失われる水分や電解質の回復が追いつかず、脱水状態を助長する可能性があります。
このように、薬の種類によっても熱中症リスクは異なるため、夏場は体調変化に気を配り、異常を感じた場合は主治医に相談することが大切です。

熱中症予防のポイント

定期的な血圧測定と服薬管理

夏場は汗をかきやすく脱水などにより血圧が変動しやすくなります。
定期的に血圧を測定し、必要に応じて医師に薬の量や飲み方について相談をしましょう。

こまめな水分補給

1日あたり、約1.2Lを目安に水分補給をする習慣をつけましょう。喉の渇きを感じる前にこまめに摂ることが大切です。
ただし心臓や腎臓に持病がある方は水分補給の量は主治医に適正量を確認しましょう。
また、カフェインやアルコール飲料は利尿作用があり、かえって脱水を促進してしまいます。
そのため、水分補給として摂取するのは適切ではありません。

塩分の適切な摂取

発汗によって体内の塩分が失われるため、適切に塩分摂取をしましょう。
ただし、高血圧症の方は1日の塩分摂取量を6g未満に抑えるよう推奨されています。
塩分の摂りすぎにも注意しましょう。

室内の温度管理

エアコンや扇風機を活用し、室内の温度が28℃を超えないよう適温を保ちましょう。
また、室温が低すぎる(24℃以下)と屋外との気温差が大きくなり身体に負担がかかるため、室温の下げすぎにも注意しましょう。

適切な服装と日陰の利用

暑い日は通気性の良い衣服を選び、帽子や日傘で直射日光を避けましょう。
外出はできるだけ朝や夕方など涼しい時間帯に行うのが理想です。
また、睡眠不足や不規則な食事も体調を崩す原因となるため、生活リズムを整えることも大切です。

まとめ

高血圧と熱中症は、一見無関係のように見えますが、実は深い関わりがあります。
血圧の変動や体調の変化に気をつけながら、熱中症の予防をしましょう。
無理をしない生活を意識することが、夏を安心して過ごすための第一歩になります。

参考出典

  1. 熱中症予防のための情報・資料サイト|厚生労働省
  2. 令和5年 国民健康・栄養調査の概要|厚生労働省
  3. 熱中症白書 April 2025|住友生命保険相互会社
  4. 熱中症を防ぐには|環境省

【文責】Pep Up ラボ編集部

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※本記事は一般的な健康情報を提供しています。治療・相談は医療機関にご相談ください。

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