2025年から義務化!職場での熱中症対策、ちゃんとできていますか?

「今年の夏も暑くなりそうだね」——そんな会話が聞こえる季節になってきました。
2025年6月1日から、厚生労働省が改正した労働安全衛生規則が施行され、職場や現場での熱中症対策が義務となりました。
40~50代になると、体温調整機能が若いころよりも衰えてくると言われています。
「昔は平気だったのに、最近暑さがこたえる」そんな方は、今こそ夏の体調管理を見直すタイミングかもしれません。
そもそも、なぜ規則が改正されたのか?
実は、仕事中に熱中症で倒れる人は年々増えています。
2024年には、全国で8,000人以上が熱中症で救急搬送され、うち400人超が業務中でした。労働中の熱中症が増えていることが今回の改正の主な理由となっています。
特に屋外作業や、空調が効きにくい倉庫・厨房などが危険と言われています。
熱中症対策の強化について義務付けられている作業は、この後説明するWBGTが28度または気温31度以上の作業場において行われる作業で、継続して1時間以上又は1日当たり4時間を超えて行われることが見込まれるものとされていますが、それ以外であっても参考になるポイントがいくつかあります。
ポイントは3つ。今回の改正内容とは?
① 暑さ指数(WBGT)の計測が義務に
「暑い・寒い」の感覚は人それぞれ。でも、WBGT(湿球黒球温度)という指標なら、温度・湿度・輻射熱を総合的に判断できます。
たとえば現場でWBGTが28℃を超えたら、適宜休憩を取る必要があるとされています。
単なるルールとして認識するのではなく、“命を守るサイン”として覚えておくといいでしょう。
② 休憩・水分補給の計画と記録
「のどが渇いてから飲む」では遅いのが熱中症です。
改正後は、作業前に水分補給タイムを組み込むことが求められます。
たとえば:
- 午前9時に1回、10時半に1回、12時前にも1回。
- 1回あたりコップ1杯(150~200ml)を目安に。
また、いつ・誰が・どんな対策をしたかの記録も義務となり、万が一の事故に備えておくことが重要です。
③ 全員が知っている状態に。教育も必須
職場の誰か一人が熱中症対策に詳しいだけでは十分ではありません。
全員が「熱中症の危険サイン」や「応急処置」を理解しておく必要があります。
掲示物や朝礼での共有、eラーニングの導入も推奨されています。
では、どんな対策をすればいい?
① 暑さ指数のチェックは「天気予報」より大切!
朝7時の屋外作業の現場でリーダーが手にしたのは、WBGT計。
「お、26度。今日は休憩多めでいこうか」——この一言が、命を守ります。
WBGT計は最近手に入りやすくなりました。
現場の入り口に掲示し、数値に応じた休憩や服装のルールを設けるなどの対策を行いましょう。
② 水分と休憩は“決めておく”のがコツ
「まだ大丈夫」と思って動き続けるのが一番危険です。
たとえば基準を超えるような作業環境では、30分に1回の水分補給をアラームでお知らせするなど、ルールとして組み込むのが効果的です。
その時補給するのは水だけでなく、スポーツドリンクや経口補水液(※)がおすすめです。
水分以外にも「塩タブレット」などで塩分補給を行うのも熱中症対策として効果的です。
※(2025.07.18追記)経口補水液は特別用途食品(病者用食品)として国の認可を受けた飲み物です。効果や使用方法については各製品のパッケージをご確認ください。
③ 作業服や小物も“涼しさ”重視で!
- 通気性のあるメッシュ素材の作業着
- 首元を冷やす冷感タオル
- 保冷剤を入れられる作業用ベスト
ある建設会社では、「社員に冷却ベストを支給したら、午後の体調不良が激減した」という実績もあるようです。
④ 日陰と風を味方につけよう
屋外現場では、簡易テントやミストファンの導入も有効です。
ランチ後や午後の休憩時に、涼しい場所で体温を下げる時間を作ることが大切です。
倉庫などの屋内でも、スポットクーラーを動線に沿って設置したり、風の通り道を工夫するだけでも大きく違います。
⑤ 体調チェックの「声かけ」を日課に
「顔赤くない?」「水、飲んだ?」
このひと声が、熱中症の初期症状を見逃さないカギになります。
朝礼後や休憩前などに、体調確認の時間をとる職場も増えています。
自分のため、同僚のためにも、声かけ文化を育てましょう。
まとめ
気温が高くなると、判断力も鈍くなります。
「ちょっとムリしてみよう」が、大きな事故につながることも。
だからこそ、職場全体で「暑さに負けない」仕組みをつくることが大切です。
- WBGTを測って、暑さを見える化する
- 水分補給を計画的に行う
- 服装・道具も熱中症対策仕様にする
- 声をかけあい、体調をチェックする
小さな工夫を積み重ねて“安全な夏”を過ごしましょう。
参考出典





