血糖とは?血糖異常が引きこす病気と対策

健康診断で出てくる「空腹時血糖」や「HbA1c」という数値。
なんとなく聞いたことがあるものの、これら数値が示すのは身体のどんな状態なのか、詳しくわからないという方も多いのではないでしょうか?
この記事では、血糖値とはなにか?血糖値を改善するための方法や日常生活で意識するポイントについてご紹介します。
血糖とは
人の体の細胞は、基本的には糖分(グルコース)を燃料として動きます。糖分がないと、考えることも、指先を動かすことも、物を食べることもできません。
そんな生きていく上で不可欠な糖分が、血液中にどの程度あるのかを指す指標が「血糖」です。
血糖値とは
血糖値とは血糖を評価する指標で、血液中、厳密には血漿中にどれだけ糖分が含まれるかを直接示した値です。
健康診断などで測定されるものとしては、
- 食事のタイミングと関係なく測定する「随時血糖」
- 10時間以上の絶食後、空腹状態で測定する「空腹時血糖」
の2つがありますが、ほとんどの場合で採血までに絶食が指示され、空腹時血糖の測定が行われます。
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)とは
血糖値と並んでよく耳にする項目が「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」です。
ヘモグロビンは血液を漂う赤血球に含まれる成分で、私たちの全身に酸素を運搬する大切な役割を持っています。このヘモグロビンは血液中を漂う糖分と結合することがあり、この割合を示した値がHbA1cです。
糖分は血糖値が高いほどヘモグロビンと結合しやすく、しかも一度結合するとヘモグロビンの寿命(約120日)が尽きるまで離れない性質があるので、HbA1cの値は直近1~2か月の平均的な血糖値を示す指標として使われます。
血糖の基準値
空腹時の血糖値が110mg/dL以上で境界域、125mg/dL以上になると糖尿病域となります。
HbA1cは6.5%以上で糖尿病型とされており、5.6%以上の方では精査が勧められることもあります。
現在、日本の成人の4人に1人が高血糖といわれており、糖尿病の患者さんが増えています。

血糖値が高くなる原因
体内の血糖値は、インスリンやグルカゴンなどの複数のホルモンによって、一定の値を保つようにコントロールされていますが、インスリンの働きがうまくいかない場合や過剰に糖分を摂取すると、血糖値が高くなりやすくなります。
遺伝による影響の他、糖質過多の食事や過食、清涼飲料水の過剰摂取、運動不足などによってインスリンの分泌量や効き具合が低下することで、十分に血糖値を下げられなくなり高血糖となります。
高血糖状態が続くと、糖尿病や動脈硬化、心疾患などのリスクが高まります。
低血糖を引き起こす原因
血糖値が下がり過ぎると、震えや頭痛などの症状が起こり、脳のエネルギー不足から意識低下や昏睡を起こして最悪、死に至ることがあります。
低血糖は主に糖尿病の方に起こる症状ですが、極端に食事の量が少なかったり、時間が遅れたりしたときや、空腹時に激しい運動を行ったときなどに起こることがあります。
血糖値異常が引き起こす病気
インスリンの作用不足により血糖値が高い状態が続いていると糖尿病と診断されます。 血糖値が高過ぎることで全身の血管が障害されるため、糖尿病は動脈硬化を引き起こしてしまいます。
動脈硬化により、手足の神経症状や網膜症による失明、狭心症、心筋梗塞といった様々な合併症を引き起こしてしまいます。

血糖値対策
まずは医療機関の受診を
高血糖と指摘された場合、まずはどの程度の状態なのかを正しく把握する必要があります。
医療機関を受診して、適切な診察を受けましょう。
血糖値の高い状態が長く続いている場合、気がつかない間に網膜症などが進行していることもありますし、免疫が低下している場合もあります。
進行の程度によっては過度な運動は控える必要があったり、運動の種目が制限されることもあるので、まずは医療機関を受診して自分の状態を把握しましょう。
生活習慣の見直し
日常の中では生活習慣の改善が重要となります。
食事
食事はご飯・麺などの主食やお菓子・清涼飲料水などの間食に多く含まれる糖質の過剰摂取に気をつけましょう。野菜や海藻などの食物繊維の多い食品は糖質の吸収を穏やかにしてくれます。
また、血糖値対策には内臓脂肪を減らすことも効果的です。1日の摂取エネルギー(カロリー)量を見直しましょう。飲酒習慣のある方は、お酒自体が糖質を多く含む場合もありますし、お酒と一緒に高エネルギーな物を食べてしまうことも多いので、節酒を心掛けましょう。
運動
運動は余分なエネルギーの消費にも有効で、運動自体がインスリンの効き具合を改善してくれると言われています。
運動不足の自覚がある方は、少し歩く量を増やしたりエレベーターの代わりに階段を上ったりと、無理のない範囲で体を動かすことを心がけてみましょう。
まとめ
高血糖はそれ自体に痛みなどの症状が出にくく、生活改善のモチベーションを保ちにくいものの、視力の低下や手足の痺れ、ふらつきなど、一度現れると現在の医学では完全に取り除くことができない合併症も多く、狭心症や脳梗塞などの命に関わる事態にも進展します。
血糖値が気になる方もそうでない方も、日常生活の中で少しずつできるところから取り組み、定期的な健康診断を受けて早期発見に心掛けましょう。
参考出典
- 健康づくりサポートネット 糖尿病|厚生労働省
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-002.html - 糖尿病診療ガイドライン2024|日本糖尿病学会





