糖尿病とは?インスリンの重要性と診断基準

糖尿病は決して他人事ではなく、現在日本の糖尿病患者数は約1,000万人以上、世界では5億3,700万人以上もの人々が糖尿病と共に生活しており、私たちの身近な人々もその中にいるかもしれません。
この記事では糖尿病とはなにか?糖尿病のメカニズムや糖尿病が重症化することで引き起こされる合併症について紹介します。
糖尿病とは
体内で分泌されるインスリンの量が少なくなったり効きが悪くなったりすることで、食事を摂取したことによる血糖値の上昇が抑えられず、血糖値を正常に保つことができない病気です。
糖尿病の恐ろしいところは、自覚症状が乏しく、合併症が発症しているころには進行していることが多いことです。
1型?2型?
1型糖尿病はインスリン依存型と言われ、糖尿病のうち約5%が1型糖尿病です。
2型糖尿病は非インスリン依存型と言われ、糖尿病のうち90‐95%が2型糖尿病です。
それぞれの特徴については以下の通りです。

今回の記事を含む「糖尿病」とは、主に2型糖尿病について説明します。
インスリンとは
インスリンとは膵臓で作られる体内で唯一の血糖値を下げるホルモンです。
食べ物のなかの糖分がブドウ糖として体内に取り込まれると、膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンは筋肉などへつながるドアを開いて、ブドウ糖を送り込みます。
このような作用で、血液中の血糖を一定にコントロールしています。
遺伝的要因に暴飲暴食や運動不足などの生活習慣が重なることで、インスリンの作用不足(インスリンの分泌量の低下や抵抗性の発現)が起きて2型糖尿病が発症します。
対策を行わないまま高血糖状態が続くとインスリンの効き具合が低下してしまい、より多くのインスリンを分泌する必要が生じます。その結果、膵臓が疲弊しインスリンを分泌できなくなってしまい、更なる高血糖を引き起こすといった悪循環が生じてしまいます。
糖尿病の診断基準
糖尿病は血糖値とHbA1cに加えて、自覚症状や網膜症の有無などから診断されます。
糖尿病と診断されたら、合併症を悪化させないための治療目標を状態に合わせて設定されます。

(※)75gOGTT:75g経口ブドウ糖負荷試験。空腹時血糖値を測定後、75gのブドウ糖を摂取し、30分後、1時間後、2時間後にそれぞれ採血を行い、血糖値を測定する検査方法
糖尿病の合併症
血糖値が高い状態が続くと、血液中にあふれた糖がどんどん血管を傷つけ、動脈硬化を進行させます。
細い血管からダメージを受けやすく、細い血管が集まる網膜や腎臓、手足の末梢神経に障害が現れることが多いです。そのため、「糖尿病性網膜症」「糖尿病性腎症」「糖尿病性神経障害」この3つが糖尿病の3大合併症とされています。
その他にも、心臓や脳、呼吸器などさまざまな臓器が障害されてしまいます。

日本では、
- 透析の原因疾患の第1位が糖尿病
- 視覚障害の原因疾患は第3位が糖尿病
となっています。
糖尿病を早期に発見し、合併症を防ぐためにも定期的な検査を受けることが重要となります。
糖尿病の治療
糖尿病治療の目的は「合併症を悪化させない事」です。
そのためには血糖測定だけではなく合併症に対する定期的な検査と、食事療法・運動療法・薬物療法の組み合わせが最も効果的であると言われています。
非薬物療法(生活習慣改善)
2型糖尿病の発症や進行には生活習慣の乱れが大きく影響します。
食事において重要なのは、食事量のコントロールと食事の内容、食べ方です。
運動も動脈硬化を原因とする疾患の発症リスク低減に欠かせないと言われています。
まずは今の状況を振り返り、自分の生活や環境に応じて改善していくことが重要です。
薬物療法
糖尿病の薬にはインスリンを分泌させる薬や抵抗性を改善する薬、食後の高血糖を改善する薬などさまざまで、医師はその人の状態にあったものを処方しています。重症化を予防するためにも正しく服用することが重要です。状態が落ち着いてくると、途中から薬の内服が終了となる場合もあります。
途中で服用をやめたり自分で量を調整するのは大変危険なので、用法や用量が合わないと感じる薬があれば、医師に相談しましょう。
11月14日は「世界糖尿病デー」
毎年11月14日は世界糖尿病デーです。国際糖尿病連合(IDF)主催のもと、世界中で糖尿病の啓発活動が展開されます。
「世界糖尿病デー」のシンボル「ブルーサークル」は、青い輪で描かれ、糖尿病に対する団結と支援の象徴です。
これを用いたイベントが世界中で展開され、糖尿病の理解を深める一助となっています。国内では東京タワーや東京スカイツリーもブルーにライトアップされます。
大型ショッピングセンター内で血糖測定イベントなどが行われたり、病院内で講演会も積極的に行われています。
日本でも全国で開催されているイベントについては「世界糖尿病デー(World Diabetes Day Committee in Japan)」のHPにまとめられています。
まとめ
糖尿病となり合併症が生じてしまうと、今の生活を続けるのが難しくなることもあります。
糖尿病とはどういう病気か、正しい知識を身につけて、糖尿病の発症予防のための生活習慣や合併症を起こさないために治療を継続しましょう。
参考出典
- わが国の慢性透析療法の現況 2022年末の慢性透析患者に関する集計|日本透析医学会
https://docs.jsdt.or.jp/overview/ - 視覚障害の原因疾患の全国調査|岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id566.html





