病気を知る

腎臓を守る!糖尿病性腎症の症状と対策


11月14日は「世界糖尿病デー」です。
糖尿病が悪化すると「透析になる」と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
日本では毎年およそ3万9千人が新たに透析を開始していますが、その約4割は糖尿病性腎症が原因とされています。
今回は、糖尿病の慢性合併症のひとつである糖尿病性腎症の症状や治療法、予防のポイントについて紹介します。

知っておきたい要点

  • 糖尿病性腎症は、血液中の糖によって腎臓の血管が傷つき、機能が低下する病気。
  • 初期は自覚症状がほとんどなく、進行するとむくみ・息切れ・貧血などが現れる。
  • 治療には食事・運動療法に加えて、進行時には透析療法が必要になることがある。
  • 血糖コントロールと生活習慣の改善が、糖尿病性腎症の予防と進行抑制に重要。

糖尿病性腎症とは

糖尿病性腎症とは、血液中にあふれた糖分によって腎臓の細い血管が傷つき、腎機能が低下する病気です。
腎臓は血液をろ過して老廃物を尿として排出するほか、水分量や血圧の調整、赤血球をつくるホルモンの分泌なども担っています。
そのため腎機能が低下すると、尿が出にくくなるだけでなく、血圧の異常や貧血、むくみなどの症状が現れます。

糖尿病性腎症の症状

初期の糖尿病性腎症は自覚症状がほとんどありません。
しかし進行すると、次のような症状があらわれます。

  • むくみ
  • 息切れ・だるさ
  • 食欲不振・胸の苦しさ
  • 筋肉のつりやすさ
  • 腎性貧血
  • 皮膚の乾燥・かゆみ
  • 心血管合併症(CVD)
  • 体内のミネラルバランス異常

症状が出るころには、すでに腎機能の低下が進行しているケースも少なくありません。

糖尿病性腎症の治療

治療は腎臓の機能がどの程度保たれているかによって異なります。
腎臓がまだ働いている段階では、血糖コントロール、食事療法、運動療法などを行い、腎機能の低下を防ぎます。
腎機能が正常の1/10程度まで低下すると、尿が作れなくなり、命に関わるため透析療法が必要になります。

食事療法

糖尿病性腎症では、糖尿病の食事療法に加えて、以下のような制限が設けられる場合があります。

制限するもの

内容

タンパク質

肉・魚・卵・乳製品などの摂取量を制限。腎機能の状態によって量が決まる。

塩分

1日3〜6g未満を目標とする。糖尿病より厳しい制限が必要な場合もある。

カリウム

血中カリウムが高い人は制限が必要。野菜や果物の摂取制限が行われることもある。

どの程度制限が必要かは、血液検査(クレアチニン値)や尿中タンパク量で判断されます。献立や食材の選び方は主治医・管理栄養士に相談しましょう。

運動療法

体力維持や血糖コントロール、心血管疾患予防に効果があります。
ウォーキングや軽いジョギング、水泳などの有酸素運動に、足腰を中心とした筋力トレーニングを組み合わせるのが基本です。
ただし、激しい運動は腎臓や心臓に負担をかけるおそれがあるため、主治医や理学療法士に相談して行いましょう。

透析療法

透析療法とは、腎臓の代わりに血液中の老廃物や余分な水分を取り除く治療です。
方法は「血液透析」と「腹膜透析」の2種類があります。

方法

特徴

血液透析

血液を体外に取り出して機械でろ過し、再び体に戻す方法。
週2〜3回、1回4時間ほど行う。

腹膜透析

お腹の中に透析液を入れ、腹膜を介して血液をろ過する方法。
毎日自分で行い、1日に4回程度透析液を交換する方法と、夜間就寝中に行う方法がある。

日本では清潔で安全な環境で透析が受けられるため、多くの方が血液透析を選択しています。

糖尿病性腎症を防ぐには

糖尿病性腎症の予防には、血糖コントロールが最も重要です。
薬を正しく服用し、食事・運動療法を継続しましょう。

また、以下の項目に当てはまる人は発症リスクが高いため注意が必要です。

  • 家族に糖尿病がいる
  • 運動不足・肥満
  • 飲酒量が多い・喫煙習慣がある
  • 高血圧がある

今は健康でも、定期的な健康診断で早期発見・早期対策を心がけましょう。

血糖コントロールで腎症を防ごう

血糖値が高い状態が続くと、腎臓の血管が傷んで糖尿病性腎症を発症します。
初期は自覚症状がなく、進行すると透析が必要になることもあります。
糖尿病性腎症を防ぐには、糖尿病の予防と血糖コントロールが不可欠です。
日々の生活習慣を見直し、腎臓を守る行動を意識していきましょう。

参考出典

  1. 守ろう腎臓 防ごう人工透析|厚生労働省
  2. 糖尿病性腎症|全国腎臓病協議会
  3. 腎臓が悪くなったときの症状|日本腎臓学会
  4. 糖尿病の食事のはなし(基本編)|糖尿病情報センター
  5. 糖尿病の食事のはなし(実践編)|糖尿病情報センター
  6. 糖尿病の運動のはなし|糖尿病情報センター
  7. 糖尿病性腎臓病の人を対象にした運動プログラム|厚生労働省
  8. 血液透析|全国腎臓病協議会
  9. 腹膜透析|全国腎臓病協議会

【文責】Pep Up ラボ編集部

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※本記事は一般的な健康情報を提供しています。治療・相談は医療機関にご相談ください。

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